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‘江別気球工場’

取材日程調整でメールのやり取りをして頂いている小川順子さん。小川さんのメールからはいつも、さり気ない配慮と優しさが感じられます。そんな小川さんが普段どんなことを考えていらっしゃるのか、じっくりインタビューをさせて頂きました。

 

江別の印象はいかがですか?

小川順子さんは、本社の総務・経理部と工場の生産管理部を兼任されています。

「変化がよくある会社なんですよね」と、江別気球工場が稼働し始めてから、江別に通勤していた小川さんも11月から札幌本社に戻るのだそう。そして、江別気球工場には札幌R&Dセンターから数名が来て、開発の仕事の一部をここでするようになるんですよと教えてくれました。

「変化」というか常に「進化」している感じですよね。去年の秋は18人くらいの会社でしたが、現在では総勢50名以上の「チーム岩谷技研」が日夜開発に励んでいます。

緑や自然が好きなので、江別は緑も多く気に入っていたという小川さん。江別気球工場も札幌本社や札幌R&Dセンターに比べスペースが広いので、江別は開放感がある場所という印象があるそうです。

工場での様子も、みなさんが今まで経験のない気球制作というお仕事をされているなかで試行錯誤されているけれども、「ああしよう、こうしよう」ってお喋りしながら工夫している様子が和気あいあいとしていて、そんなメイトさんの明るさに助けられていると感じています。

 

岩谷技研の仕事のやりがいは?

小川さんの主な仕事は採用業務。人事の面から研究開発を支えます。小川さんご自身が岩谷技研に入社したのは2021年の秋頃。当時は岩谷技研という会社を全く知らなかったそうですが、人とのつながりで紹介してもらい働き始めました。

小川さんにとって岩谷技研は3社目で、最初の社会人経験は農協でのお勤めでした。10年以上のキャリアがありましたが、民間の会社でも働いてみたいと考え転職。ずっと採用業務に関わってきましたが、民間会社ではスピード感の違いや女性にもチャンスがあると感じたそうです。

 

さらに岩谷技研では、大きく考え方が変わったことがあるそうです。

一般的な会社では、コミュニケーション能力がまず大切と考えられています。小川さんも以前の経験から「コミュニケーション能力」を重視していましたが、工学系の採用では、コミュニケーション能力よりも「スキル」が重要と考えるようになりました。工学の技術や知識についてはよくわからないので、面接ではエンジニアにも同席してもらいます。

スキル以外の部分で、小川さんには、本当にここで働きたいと思ってくれる人、やってきたからこそ自信がある人から感じられるキラリと光るものがわかるのだそうです。

「経験と感覚ですが、やっぱり思いの強さって伝わるんです」。そうして入社された方がご自身の能力を発揮して、イキイキとお仕事をされている様子を見ると本当に嬉しいそうです。

 

「採用はお見合いみたいなもので、ダメな人っていないんです。会社にマッチするかどうかなんですよね」と、ご縁があったからこそ一緒に働くようになるのだと考えています。採用業務では、そうしたご縁に出会えるのが楽しいとやりがいを感じています。

 

最後の旅行はやっぱり宇宙?

十勝、帯広畜産大学出身で、登山、ボルタリング、旅行が趣味という小川さん。気球の宇宙遊覧旅行には、ぜひ行きたいのでは?というと「昔から人生最後の旅行は南極かなと思っていたので迷っている」という意外な答え!でも、よく考えると日本から南極大陸への距離は約14,000km。直行便もなく乗り継ぎを重ねて飛行時間は20時間以上。かたや宇宙遊覧旅行は、地上から25km・・・宇宙の方が近いですね、と笑いました。

今後も進化し続けていく岩谷技研は、多くの人材を採用していくことになりますが、「私が最初の面接者として応募してきてくれた人と接することになるので、どういう人か表情を見て安心してほしい」と素敵な笑顔を見せてくれました。

 

10月某日。江別気球工場にお邪魔すると、いつもと何だか雰囲気が違います。今日はどんな仕事をしているのでしょうか?メイトさんに教えてもらいながら、作業の様子をリポートします。

 

ランチタイムの輪の中へ

江別気球工場には午後から取材に行くことが多く、作業の合間を見てメイトさんに声をかけたり、後半のランチタイム中にお話しの輪の中に入れてもらい一緒におしゃべりをしながら取材をさせていただいています。

昼休みは11:30から12:30までの前半チームと、12:30から13:30までの後半チームの2つのグループに分かれて、それぞれ1時間ずつ休憩します。

 

気球解体の作業

溶着作業をしている時にお邪魔することが多いので、長いテーブルのそれぞれの持ち場に近づいて作業の様子を見せてもらったり、どんなことをしているのか教えてもらいます。お邪魔してると思うのですが、みなさん快く質問に答えてくれ親切に教えてくれます。溶着の時は音楽が流れる中、それぞれが静かに作業に集中しているのですが、今日の作業は何だか慌ただしい雰囲気です。

「これは、気球の解体作業をしているんですよ」と一人のメイトさんが教えてくれました。実験が終わり使用済みになった気球を解体し、次回も使用できるパーツを取り除いているのだそうです。

 

江別気球工場に謎の2階がある?

「今日も開拓うどんに行って来ました」と昼休みから戻った工場長は、メイトさん一人と学生アルバイトさん達を連れ、工場の2階を整理整頓すると言います。

工場に2階があるんですか? ぜひ様子が見たいと申し出ると、まだ公開できる状態じゃないんですよ〜!と、今回はNG。逆に気になりますが、2階の様子が公開OKになった時には、改めてリポートさせていただきます!

 

気球のテープを抜く作業も効率的に

さて、解体作業を続けているメイトさん達は、普段はあまり行わない作業なので、やりながらもっと効率的に早く作業ができる方法をその場で考え「二つ折りにした方がやりやすい?」と声をかけて相談しながら行っています。どんどんテープを抜くスピードが速くなって、テープをまとめるのも要領がよくなってきて、あっという間に解体作業が終了しました。

2階の作業から戻った工場長も「きれいにまとめてくれてありがとう!」とメイトさんたちの仕事ぶりに感心されているようでした。

 

素晴らしいチームワーク

この日の最後は、これからつくる気球の作り方の説明があり、ミーティングが行われました。R&Dから気球の大きさや個数の注文を受けて気球を作りますが、どうやら今までのやり方と違う方法での指示があったようです。

「え?今までと逆なの?」「どういうこと?」と少し驚いて、一瞬戸惑っている様子でしたが、すぐに「どうすればできる?」と話し合いが始まりました。メイトさんの中に、気球に詳しい方がいらっしゃるようで、その方を中心に「これはこういうことでしょ?」と話し合いをしています。

今までと違うやり方にも「いろいろ試してみればいいんだ」「これでできそう、やってみよう」と最終的には前向きに話がまとまっていました。

明日のシフトを見て、今日の話し合いの様子を申し送りできるメンバーを確認してミーティングが終了。

一人一人がより作業が効率的にできるよう自発的に考え、それを共有しながら協力しあって、生産性を上げていくチームワークの良さが素敵でした!

10月5日、キャリア教育の一環として江別市教育委員会から依頼され「“やってみる”からはじめよう!」と題した講演会が江別第三中学校にて行われました。その会場に潜入!講演会の様子をレポートします。

 

会場・生徒達の様子

講演会は全校生徒が聴講しましたが、密を避けるため体育館で直接話が聞けたのは1年生のみで2・3年生は各教室でパソコン配信にて講演会の様子を視聴していました。

岩谷社長は、「みなさんの年頃だと、将来社会に出ていくために まだ何をやっていくか考えてもよく分からないと思いますが」と生徒達に語りかけ、「私には肩書きがたくさんあります。気球屋さん、科学者、社長、発明家、エンジニア、アーティスト、作家、その他いろいろ」と自己紹介から始まり、「自分自身のやりたいをやるための社長は手段です」と岩谷技研の事業の説明がありました。

聞いている生徒たちは、気球に乗って宇宙を見に行く?新しい気球を作っている?と半信半疑な様子でしたが、「そんなことできるの?とよく言われますが、できましたよと見せるまでやる」と岩谷社長が実験の映像を流した時、宇宙の入り口25,000m上空の成層圏を魚専用与圧キャビンの中で悠々と泳ぐベタの映像などを見て、生徒達の表情が好奇心でいっぱいになっていきました。

 

もう諦めようと思った時、偶然がいくつも重なった

岩谷社長が大学生の頃、風船で宇宙空間を撮影する挑戦をしていた話では、
やってみたけど大失敗。ムンクの叫びのような写真が撮れたと失敗写真を公開。

半年かけて作ったものが海の藻屑に消えるなど失敗が100回以上続き、周囲からは「できないに決まってる」「意味ない」「無駄」「お金がもったいない」などといわれたと言います。もうやめようかな・・・そんなふうに思ってしまった時、偶然がいくつも重なって「もうちょっとがんばってみよう」と思える出来事がありました。

装置を回収するのは面倒臭いと思った岩谷青年は、誰か拾ってくれないかなと自分の連絡先を装置に書いておきました。それを偶然親切な人が拾って届けてくれて、上空からの撮影に成功した写真を見ることができたのです。

失敗したり、迷ったり、それでもやっぱりやってみたいと続けられたのは、宇宙が子どもの頃から好きだったからでした。

 

子どもの頃の憧れ「ドクが世界で一番カッコイイ!」

子どもの頃の岩谷少年は、宇宙ステーションができるという絵本を読んですごい!と思い宇宙が好きになりました。他にも好きだったことは、工作やものをつくること。ブロックを組み立てて遊んでいたり、父親のカメラを分解してバラバラにして壊したこともあるそうです。

そして、映画「Back to the Future」のタイムマシンを発明した科学者エメット・ブラウン博士(通称ドク)が大好き!ドクのようになりたいと思ったそうです。小学校の文集では将来の夢に「科学者」と書いてありました。

高校2年生の時、本格的に進路を考え始めた頃、岩谷少年にとっては衝撃的な事実が発覚します。バック・トゥ・ザ・フューチャーはフィクションで、ドクのように自分の好きなことだけ研究をしている科学者は日本にはいないことがわかります。

ドクになれないとわかるとやる気を失くし、何をやっていいかわからなくなった岩谷少年はテストも0点ばかり。「不器用な学生でどこかで妥協することができなかった」と言い、高校卒業後は浪人しました。

浪人中にたまたま人力飛行機の競技会「鳥人間コンテスト選手権大会」を見て、「何か自分でつくりたかった」という夢を思い出し、工学部機械科に進学することになります。ここでも偶然が岩谷さんに力を与えたようですね!

北大では、宇宙環境システム工学研究室でロケットの勉強を始めたところで、ロケットって意外と大変と気がつき「これはムリ!」とまたやる気がなくなったそうです。でも、ロケットが無理ならと「風船はやれるかも」を思いつきました。「いろいろやってみることが大事。やっているうちに夢は見つかる」。岩谷社長のメッセージは、生徒達の心にやる気の種を植えたようでした。

やってみることと失敗することの大切さを語り、やってみるからこそ分かることがあり、好きを続けると本当にやりたいことや夢が見えてくるというお話には、私たちの心にも響きました。

 

生徒達からの質問

最後に生徒達からの質問に答えた岩谷社長。中学生の頃、はまったことはなんですか?と聞かれると「ただ宇宙が好きでした」と答え、夢を見つけるためにも「自分に正直に好きを見つけることが大事」と話しました。

自分にその夢があっていないとわかった時にはどうしたらいいですか?という質問には、「経験して向いていないとわかったものはやらない。他のことを試してみて次の好きを探します」と答え、「やっているうちに好きなら続いていくし、失敗した場合も好きなことは繰り返せる」と話していました。

生徒たちに率直に答える岩谷社長の言葉から、岩谷社長の好きという気持ちは、宇宙へと真っ直ぐに向けられているのだなと思いました。

土曜の午後、この日は学生アルバイトさんと一緒に作業をされていたメイトさんの一人、Kさんにロックオン!岩谷技研でお仕事を始めたきっかけなどを教えていただきました。

 

江別市大麻に気球工場が新規オープン!?

福祉関係の施設で食事作りの仕事をされてたというKさん。たまたま求人サイトを何気なく見ていた時に「新規オープンの気球工場で気球製作スタッフ募集!【未経験者歓迎】」の求人を見つけます。

この地元大麻に?工場ができるなんて!これはなんだ?!と衝撃を受けたと言います。

「もし、気球工場が札幌にできるという話だったら、そうなんだと思っただけで、あまり気に留めなかったと思います」とKさん。

気球工場がなぜ江別に?確かにそれは、全江別民が疑問に感じたことでした。しかも「宇宙旅行」を目指す気球を製作するという、夢のあるお仕事です。

知識・経験不要!とあり、「やってみたい!」と咄嗟に思ったそうです。すぐに夫に相談したところ、宇宙が好きだという夫さんも「いいね、やってみたら?」と背中を押してくれました。

 

実際に仕事をしてみた感想は?

「思った通り、毎日楽しく仕事をさせていただいてます」とニッコリ。

求人を見つけて最初に感じた時の驚きとワクワクした気持ちで、いつもこの世界は何なんだ?!と思いながら、自分にとって新しい世界での試行錯誤の取り組みが楽しいと話してくれました。

Kさんは食事作りをされていただけあって、「きっとモノづくりがお好きなんですね」と聞くと「いや、それがそうでもなくて・・・」と意外ですが、大雑把で細かい作業が得意な方ではないとおっしゃいます。

 

岩谷技研では今後さらに大きな気球を作るようになった時にメイトさんの数を増やし作業をする可能性がありますが、やってみたいけど、どうしようと求人応募に躊躇してしまう方にとっては、Kさんのお話は「私にもできるかも?」と一歩を踏み出すきっかけになりますね。

 

学生スタッフさんが使いづらさを解消「助けられています」

「工夫して作るのが得意な方がいて、これも得意な方が作ってくれたもので、とても使い易いです」と一目で幅が分かりやすいように、マスキングテープをラミネート加工して作ったオリジナルの物差しを見せてくれました。

学生スタッフさんが、作り方を丁寧に説明してくれたり、イージーシラーの使いずらさを千葉さんが解消してくれたり、皆さんで協力しあって、日々作業がしやすくなっていることに、「とても助けられている」と周りのみなさんに感謝の気持ちでいっぱいなのだそうです。

 

チャンスがあれば気球にも乗ってみたい!

Kさんも映画のスターウォーズや、バック・トゥ・ザ・フューチャーが好きなので、岩谷社長がバック・トゥ・ザ・フューチャーが好きだと語られている記事を読んだ時には親近感を感じたそうです。

またKさんは「チャンスがあれば気球にも乗ってみたい」と目をキラキラさせていました。

思い切って新しい世界に飛び込んでみる!そんな勇気と好奇心いっぱいのKさんのお話しを聞いていると、私までワクワクしてきて、Kさんからワクワクのパワーをいただいたようでした。

取材陣をいつも笑顔で迎え入れてくれる飯塚工場長。社内報作成の取材にあたり、江別工場に潜入し、メイトさんにも直接お話しを聞きたいとお願いしたところ、
「まず、私からメイトさんに社内報の件を説明させてください」と、何よりもまずメイトさんの働きやすさや感情、モチベーションを第一に考えていらっしゃるんだなと感心したことを覚えています。

そうして段取りをしていただいたお陰で、いつ江別工場を訪ねても、みなさん快く迎えてくれるので、我々も取材に行くのが楽しいです。

 

仲取締役との腐れ縁?

それはさておき、東京から単身で北海道に移住され、江別気球工場の工場長を務める飯塚剛さん。「岩谷技研で一緒に働いてほしい」と仲取締役から熱烈なオファーがあったと聞きましたが?

「彼とは腐れ縁です(笑)。前職を退職後、タイミングよく岩谷技研に迎え入れてくれるという話をいただき有り難かったし、子どもも成人したタイミングでちょうど良かったんです」

飯塚工場長と仲取締役は、小学校と中学が一緒で、高校は別々の高校に進学しましたが、大学時代には留学先がお互いにニューヨークだったため、再会しずっと縁が続いているのだとか。

「来てみて本当によかった」と北海道に来なければ出会えなかった人たちと、今こうして一緒に仕事をしていることが自分の財産になっていると言います。
江別工場がある大麻地区の飲食店『開拓うどん』がおいしいと、お気に入りの店も見つけたようです。

 

それでも、ご家族を東京に置いてきて寂しいと感じることはありませんか?

「便利な世の中になりましたよ」と毎日のようにFaceTimeで朝晩30分ほど会話をするので距離はあまり感じないそう。2〜3ヶ月おきに東京に帰り、会うのがちょうど良いと感じているそうで、奥様もいずれ北海道に遊びに来ることを楽しみにしているようです。

 

どんなお父さんか?お嬢さんに聞いてみた

さて、夏休みにお父さんを訪ね、初めて北海道に来たというお嬢さんからもお話を聞いてみましたよ。

「父から江別気球工場の話を聞いていたので、みなさんにお会いするのが本当に楽しみでした!温かい雰囲気で家族のように迎え入れてくれて、嬉しいです。話に聞いていたとおり」とハツラツと明るくとても可愛らしいお嬢さん。

 

お父さまが北海道に行くと聞いた時には寂しさがあったのではないですか?

「11月から北海道に行くということを10月に聞いたので、急でびっくりしましたが、父と雷太さんは昔からの友人なので、ずっと岩谷技研の話をしていたのは知っていて、『人をまとめるのが上手だから来てほしい』と言われていたようです」

「自分も成人して、自立するタイミングだったので家族がそれぞれ別の場所で暮らしていますが、毎日FaceTimeを使って会話しています」
「父は、一緒に働いている皆さんから学ぶことが多くて、出会えたことに感謝している。といつも言っています」と教えてくれました。

家族みんなが同時に人生の新しいスタートを切ったようですね、会話も多いようで、とても仲の良いご家族なんだなと感じました。

「父は話をするのが好きでずっと喋ってるんですが、母と私は聞き流してる時もありますよ」「ここでも、みなさんがずっと父の話を聞かされているんじゃないかしら?」茶目っ気たっぷりに冗談を言う姿がとってもキュートでした。

そんなお父さんの一番好きなところはどこですか?の質問には、一瞬、真剣な様子で考えてから、

「私はひとりっ子なので、甘やかされて育ってきたと思うんですが、小さい頃から子ども扱いしないで、対等に接してくれたところです」子どもだからといって、まだわからないだろうと適当にしたりせず、わかるように本当のことを伝えてくれたことに感謝しているそうです。

 

学歴も国籍も年齢も関係ない

飯塚工場長は、「学歴も国籍も年齢も関係ない。学生で自分よりも年下だからと言って下に見るなんてこともないです。メイトさんは20代後半から60代まで、年齢の幅も広いです。みなさんに対して敬意を持って接するだけです」と、大切だと考えていることを話してくれました。

人の心を掴むのがうまいと言われる工場長に、そのテクニックを教わろうと思って聞いていましたが、それはテクニックではなく、信頼される人柄と誠実さがあるからなのだと、お嬢さんにもお話しを聞いて確信しました。

岩谷技研では、「学生社員」という制度を設け人材育成にも力を注いでいます。学生社員の一人、Kさんにお話を聞いてみました。

Kさんは江別気球工場にて、作業をレクチャーするお仕事をされていましたが、今後は札幌R&Dセンターにて勤務となります。江別気球工場の様子や岩谷技研で働いて感じたことなどを教えていただきました。

 

学生社員Kさんインタビュー

札幌出身のKさんは、小学生の時から算数が得意だったとのこと。勉強が楽しいと感じられる環境に恵まれ、北大の工学部へと進学します。

大学入学後は飲食店でアルバイトをしていましたが、コロナの影響でバイトができなくなり、他にアルバイトを探していたところ、岩谷技研の求人を見つけました。

 

「それは、宇宙に興味を持っていた!とか、岩谷圭介さんに憧れて一緒に働きたいと思った!とかですか?」
と食い込み気味な質問に対して、「その時はよく知らなくて」と誠実に答えてくれるKさん。素直で真面目な青年という印象を受けました。

 

さて、今から約2年前、学部の4年生の10月にアルバイトとして岩谷技研に入社し、
「当時は岩谷さんの他に社員が3人くらいしかいませんでした」というKさん。3Dプリンターでさまざまなパーツを作ったりしていたそうです。

岩谷技研は、その当時から今では約10倍の30名ほどの大所帯となっています。江別気球工場でも10名ほどの人達と一緒に働くことになったと思うのですが、戸惑いはありませんでしたか?

「メイトさんにアイロンのかけ方を教えていましたが、みなさん、ちゃんと話を聞いてくれて、とてもやりやすかったです」と、メイトさんたちは熱心に学び、理解も早く、技術を吸収していったそうです。

 

岩谷さんからの影響、Kさんの今後について

これからのKさんのお仕事は、江別気球工場で手作業で行われていることを、将来的に機械化していくためのデータを集め分析し、札幌R&Dセンターにて研究開発を進めていくのだとか。

「岩谷技研で働いているうちに、考えることが好きになりました」というKさん。「新しいことをするって、もっと敷居が高いというか、誰もができるものではないと思っていました」

ふうせん宇宙撮影装置など、たった一人で新しいことを始め、挑戦し続けている岩谷さんの元で働いているうちに「新しいことも気持ちがあればできるもんだ」と思えるようになったそうです。

 

気球を使っての宇宙旅行が、今までになかった新しいことですから、その気球を作る機械も今までになかった新しいもの・・・実際に、それを作ろうとしているのですから、Kさん自身も挑戦者であり、先駆者ですよね。

卒業後は、他の企業への就職が決まっているというKさん。自分にも新しいことができるんだという気持ちは、これからどこで何をする時にもKさんの人生を輝かせる強い力になると思います。

東京から取締役の中臺さんが江別工場に来てくれ、気球のロープの結び方講習が行われました。

ロープ同士をつなぎ合わせる時の基本的な結び方である「本結び」と「エイトノット」の結び方がレクチャーされました。

 

エイトノットとは?

エイトノットとは、名前の通り数字の8の字をかいた結び方で、ロープにコブ(結び目)を作ります。強度が非常に高く、締まっても解きやすいという特徴があります。

ロープを使ったクライミングをしている人にとっては、命綱をハーネスに結ぶ用途で使用するため頻繁に使う重要な結び方ですが、普通の生活ではあまり使用することがないと思うので、初めてエイトノットで結んでみる方も多かったようです。メイトさんたちは、お隣同士で教え合いながら、結び方を習得するために何度も繰り返して結んでいました。

エイトノットは、ポールの先端にロープをひっかけるときの輪っかを作るのにも適していると「犬の散歩の時に役立つ」と輪を作る結び方も練習し、覚えておけば「キャンプの時にも使える」と、学んだ知識や技術を生活に落とし込んで活用するアイデアが、メイトさんから次々に出ます。

 

「親戚に海賊がいるという方はいますか?」中臺さんがロープワークはオランダの帆船時代に発達した技術で、船乗りやヨットに乗る人にとってもロープ結びが重要であるという話や、捕虜の確保の仕方や、縛られた時にはねじればロープを外せることなども冗談を交えながら教えてくれるので、笑いも起こり楽しく賑やかです。笑いながらもメイトさんは練習の手は止めないので、この方達がロープ結びを極め達人になったら、海賊王にもなれるかもしれないと思いました。

 

マーフィーの法則の話

さてアポロ計画では、 司令船は3基のパラシュートを展開して速度を緩め、太平洋上の海水に着水し無事帰還しました。パラシュートをたたむ収納作業ができるのはたったの3人のみ。3人は万が一の事故があった場合を考慮して、一緒の車に乗せないなど重要な人物として扱われました。

事故を起こさないためには、ものを生産したり、取り扱ったり、処理をする技術にかかっていますが、あり得ないことが起こるのが事故です。そして、マーフィーの法則でも言われていますが、ミスが起る可能性があるなら、実際にミスをするのが人間です。

中臺さんの会社で海外にパラシュートの生産を発注した時に、枚数が違うあり得ないパラシュートが納品されたことがあったそうです。

「作った人は、正しいと思って作っているからミスを見つけられない。パラシュートを作った人ではなく、紐をつけている人が不具合を見つけられる。パラシュートの紐をつけるだけではなく、つけながら点検していると思って欲しい」という中臺さんの言葉を、みなさんが深く頷きながら真剣に受け止めていました。

ロープもただ結べばよいわけではなく、決まった長さで結ぶようにオーダーがきます。結び方には一人ひとりのクセがあるため、自分が結んだ時に何センチ結ぶとどのくらいロープが短くなるのかを測り、データを取っておく必要があります。

ロープを持ち帰り結び方を覚え、長さを測ることを宿題と言われて、「家でも練習できる!」と何だか皆さん嬉しそうにロープを手にしています。その様子から、メイトさんの向上心や前向きな姿勢が伝わってきました。

中臺 章(なかだい あきら)さんは、パラシュートやパラグライダーを制作する会社を運営し、パラシュートの開発、実験などで大学や機関に対しアドバイスや実験用具の提供、納品を行っています。
また、劇団四季の舞台演出で、俳優の身体を宙に浮かす吊り上げの仕掛けを監修するお仕事もされています。

パラシュートは、最先端宇宙開発でも注目の分野で、宇宙からの帰還ではパラシュートで司令船や人工衛星の降下速度を減速させ安全に落下させます。

岩谷さんとはふうせん宇宙撮影を行なっていた頃からパラシュートのことを教えて欲しいと言われ、つながりがありました。当時は冗談で「出世払いで」と言ったりしていましたが、ある日「お金ができました。会社を設立するので取締役役員になってほしい」と言われびっくりしたそうです。

「気球を用いた宇宙旅行では地球が丸く見える上空30キロの成層圏の高さまで、気球がゆっくりと上がって、ゆっくりと降りてくるから安全ですし、夢というか、とても現実的な取り組みだと考えています」との中臺さんの言葉には、力強さと安心感があふれていました。

中臺さんは、現在江別工場となっている建物の下見にも来ました。江別はロケーションが良く、建物の広さも十分にあり、すぐに気に入りましたが、居抜き物件だったため、建物の中を片付けるのが大変で1年くらいかかったと教えてくれました。

 

江別のロックミシン

江別工場にはロックミシンが一台あり、このロックミシンを納品した業者は中臺さんが探して、江別市内でアパレル販売機器を取り扱う個人経営の方にお願いしました。

業者の方が「僕も宇宙が好きなので、自分が納品したミシンで宇宙に行く気球が作られていると思うと嬉しい」と喜んでくれたことが、中臺さんも嬉しかったそうです。

今は、メイトさんたちがロックミシンを使い、ボンベを運ぶ専用のキャリアを作るそうです。専用キャリアは、今まで世の中に無かったものですが、ゼロから材料を揃えて作るより、もともとあるものを利用して作る方が早く、材料費も節約できます。

そこで、メイトさんたちは2チームに分かれ、タンカを利用した設計図をみんなで考えコンテストを行いました。それぞれのチームの良いところを合わせて、完成した設計図を中臺さんに見せていただきました。

メイトさんは、今まで「無かった物」を新たに作り出すことの難しさに試行錯誤しならがも、意欲的にチャレンジし、創意工夫をして創り上げるこのと面白さを感じているのか、

「ロックミシンを使いロードテープを縫製し、ロープを結んで、気球の全部を江別工場で作ることができるようになります」と教えてくれたメイトさんの笑顔が、とても素敵でした。

江別気球工場内には様々な興味深いもの、不思議なものを見かけます。今回はその中から気になったものを3つご紹介します。

 

キャビン

こちらは3Dプリンターで制作したというキャビンの試作機。360度宇宙を見渡せる夢のような乗り物です。このキャビンでフワフワと上空に上がり地球を見下ろしたら、いったいどんな人生観に変化するのか?と色々想像してしまいますね。

 

キャビン

シートの横にはガスボンベのような物も付いています。3Dプリンターでこのような精巧なものが作れてしまうことに、まず驚かされます。

今まで試作されたキャビンがどのような変遷を辿ったのかも今後知りたいですね。

 

スピーカーと音楽

スピーカー

ちょうどキャビンの横に立っている素敵なスピーカー。こちらは仲取締役の私物だそうです。このスピーカーから毎日工場内に素敵な音楽が流れていて、それがメイトさんたちのモチベーションアップ・作業効率アップにつながっているのでしょう。

岩谷圭介社長はどんな音楽を聴くのかも気になるところです(今後尋ねてみる予定)。

 

岩谷圭介社長の書籍

岩谷圭介社長の書籍

工場の片隅には大きな宇宙のパネルが飾られています。なんと美しい写真でしょうか。

さて、その下には岩谷圭介社長のご著書、宇宙関連書籍が並んでいます。

 

岩谷圭介社長の書籍

岩谷圭介社長は多数の本を出版されており、特に子供向けの楽しい書籍・ワクワクと夢をふくらませる書籍を多く書かれています。こちらの書籍は自由に持って帰って良いとのことで、メイトさんたちの人気も高く、すぐに無くなってしまい急いで補充したとのことでした。私自身も各書籍を読ませて頂きましたが、岩谷社長の純粋で真っ直ぐな思い、何度失敗してもへこたれない精神力にたいへん心を打たれた次第です。いつか岩谷社長に各書籍の解説や思いを聞いてみたいです。

ちなみに、写真右上の大きな本「うちゅうはきみのすぐそばに」は子供向けの絵本となっています。これがたいへん素晴らしい絵本で、細かな絵柄に私の息子も興味津々で見入っていました。小さなお子さんが宇宙に興味を持ったり、知的好奇心を広げるにはうってつけの絵本だと思います。

2022年9月9日(金)、北海道江別市にある江別気球工場にて岩谷技研の集合写真撮影が行われました。今回はその日の模様をお伝えいたします。

 

集合写真を撮る3つの理由

江別気球工場内

半年に一度行われる社員の集合写真撮影日当日、江別気球工場に岩谷技研に所属する方々が集合しました。こんなに賑やかな江別気球工場は、工場竣工披露式以来かもしれません。

なぜ半年に一度という周期で社員の集合写真を撮るのか、それには理由が3つあります。

 

  1. リクルート(求人・人材募集)として。こういったメンバーで働いているということを告知(公開)し、一緒に働こうというメッセージ。
  2. 一流のスタイリストにヘアメイクをしてもらう機会をモチベーションアップにしてもらいたいと福利厚生的な意味でがんばっている社員にそうした機会を作っている。
  3. 社員の入れ替わりが多いため(辞めていくよりは、入って来る人が多い、学生アルバイトは卒業がある)一緒に働いているみんなを写真として残しておきたい。

 

働く人をとても大事に思う岩谷技研らしい3つの理由となっています。こういった貴重な機会は後々大きな思い出となることでしょう。

 

ヘアメイク高木さん

岩谷社長

ヘアメイクの高木さんが岩谷社長の髪を整えていました。高木さんはこの集合写真の撮影の度に東京から来られるとのこと。

岩谷さんと高木さんの出会いは、共通の仕事のパートナー(デザイナー)の紹介で縁を頂いてからずっとお付き合いしているという話でした。

物腰柔らかでとっても優しい高木さん、江別では「どんぐり」のパンが美味しかった!と仰っていました。美味しいですよね!

 

岩谷社長

岩谷社長、バッチリ決まってます。こういったプロのヘアメイクさんに髪を整えてもらえるのは本当に嬉しい機会ですね。

 

集合写真撮影

集合写真

さて、皆さん江別気球工場の正面に集まって集合写真の準備です。

 

集合写真

江別気球工場の正面は噴水とベンチがあるので、スペースはそれほど大きくなく、撮影は難しそうに見えましたが大丈夫でしょうか?

 

集合写真

撮影について話し合う飯塚工場長、岩谷社長、仲取締役。

 

集合写真

カメラのセッティングを進める仲取締役。

 

集合写真

飯塚工場長の指示の下、皆さんの立ち位置が決められていきます。後方のメイトさんたちが隠れてしまい大変そうです。

 

集合写真

仲取締役による最終チェック。皆様、そろそろ撮影です。

 

集合写真

集合写真撮影直前、皆さん笑顔で楽しそうです。

 

集合写真

カメラマンを務めるのは、本日北海道へ遊びに来ていた飯塚工場長のお嬢さんです!

 

集合写真

集合写真を撮影している場所を広角で。天気に恵まれ最高の撮影日和です。

 

集合写真

飯塚工場長のお嬢さんによる集合写真撮影。皆さんバッチリ決まってます!

 

集合写真

仲取締役による写真の確認後、オッケーとなり撮影終了です。皆さんホッとした様子でした。お疲れ様でした。

 

集合写真

撮影終了後、工場内へ戻っていく皆さんの様子。カッコいいジャケットに身を包んだ集団を見て、「何の集まり?」と動揺する市民の皆さんの様子も印象的でした。