開発チーム 鈴木義生さんインタビュー

20代〜30代のエンジニアが中心となり宇宙旅行の実現に向け、設計・開発・製造を行う岩谷技研ですが、定年後も夢を追いかけたいと入社したシニアスタッフも活躍しています!

他ではやっていないことをやっているのが魅力

エンジニアとして札幌でお勤めされていた会社を定年退職され、2023年2月に岩谷技研に入社された鈴木義生さん。昨年の夏頃にたまたま観ていたテレビで岩谷技研の様子が放送されていて「札幌にこんなおもしいことをやっている会社があるんだ」と感心しました。

定年し、さてこれからどうしようかという時に岩谷技研のことを思い出し、HPを見てみるとパートの募集をしていたので、自分にも何かサポートできることがあるかもしれないと、思い切ってメールを送ってみたのだそうです。

「モノづくりが好きなので」とニッコリ微笑む鈴木さん。ご家族も「好きなことならいいんじゃない」と再就職への背中を押してくれました。

実際に働くようになって、岩谷技研の印象はいかがですか?と聞くと「まだわからないことだらけですが・・・」と遠慮がちに「工場のみなさんは親切で、スピード感を持ってやっている」のを感じると話してくれました。ご自身は、毎日新しいことを勉強しているようだと言います。

今までに世の中にあるものではなくゼロから、”他でやっていないことをやっている”ことが面白く、驚きと新鮮さの毎日を楽しんでいるとのことですが、同時に未知の世界に戸惑いを感じることもあるのだそう。

地上とは違う高度25kmの世界

鈴木さんは前職では、調理器具、給湯器、温水暖房器具などを開発してきました。

岩谷技研で開発している気球や宇宙遊覧用キャビンは、人間にとって宇宙とほぼ同じ環境になる高度25~30kmの成層圏を耐えるものです。高度25kmになるとほぼ真空状態で、気温も氷点下80度となります。大気の圧力の大きさを表す「hPa(ヘクトパスカル)」という単位も聞きなれないものでした。地上の環境と大きく違うマイナス80度の状況で使用できるものはつくったことがないと言います。ふつう人間は成層圏には行かないので、地上での開発でマイナス80度を想定してなくても当然ですよねと笑いました。

2人乗りキャビン「T-10 Earther」ではキャビン内の気圧変化は旅客機よりも小さく、高度の変化による温度変化もほとんどないと聞いていて、今まで当たり前のように「安心・安全」と感じていたのは、実は岩谷技研の技術力あってこそなのだと、ハッとしました。

モノづくりにおいて大切なことは?

最後に、鈴木さんの今までの経験からモノづくりにおいて重要なことってなんでしょうか?と質問させていただくと、「品質が安定したモノづくりです」と教えてくれました。

まず、開発者がつくる基本の設計があって、工場の人が組み立てるのが一般的な製造工程ですが、そもそも構造的に組み立てにくいと出来上がりの製品にばらつきが出てくるのだそうです。構想段階から、設計者と工場の人が一緒に話せる場があり、設計の意図を工場の人がわかってくれると品質管理の精度が上がるのだと聞いて、「札幌R&Dセンター」が「江別気球工場」と統合し、開発部門と気球製造部門がひとつの場所に合体したことは、ますます素晴らしいモノづくりの環境が整ったということなんだと納得しました。