【総力特集!岩谷社長インタビュー Vol.6】1000年は一瞬!?驚愕の時間感覚と人間の寿命について

【総力特集!岩谷社長インタビュー】6回目の今回は、岩谷社長の宇宙的視点や時間感覚、そして人間の寿命についてといったとても深いお話を聞いてみました!

人間は長期スパンで考えることが不得意

岩谷社長はビジョンも分かりやすく明確で、着々と計画を実行していく姿から、何十年先の未来計画も明確に描かれているイメージがあります。社長はどれくらい先の事まで考えているのですか?とお尋ねしてみると、「10年後、20年後の姿といった長期スパンではあまり考えないですね」と意外な答えが返ってきました。

目の前の計画を着実にこなしていく過程が未来につながっていく、というどっしりと地に足をつけた考え方をお持ちのようです。

またその「長期スパン」という話の中で、そもそも「人間は長いスパンで考えることが得意ではないんです。」と岩谷社長は言います。

確かに一般の人は、長期的な計画はなかなか実感が伴いませんし、「今日の夕飯は何食べようかな?」という直近の出来事くらいしか本当の意味で実感が伴っていない気がします。

人間はもともと「長期スパンで考えるのが得意ではない」のだと考えるとたいへん腑に落ちます。今後長期計画が計画倒れで終わってしまうことの言い訳に使ってしまいそうです(笑)

「たった1000年ですよ」ハルマゲドンが来ても人間は再起する?

”長期スパン”の話から岩谷社長の話はどんどん大きくなり、終末論の話まで飛び出します。

「最近の世界情勢で言うと、終末論て結構あるじゃないですか。例えば、2000年頃ならノストラダムスの大予言というものもありました。でも世の中は一度も終わったことがない。そしてこの先も私は終わることがないと思っています。人類というのはとても柔軟性がある生き物なので、仮に何かカタストロフィックな出来事が起きても多分人類は滅びないし、恐竜がほぼ絶滅した時の隕石衝突のような事態に陥っても、1000年くらいで再起するでしょう。たった1000年ですよ」

たった1000年!?え、ちょっと待ってください、1000年て短いんですか?

我々インタビュアーが驚いていると、岩谷社長は淡々と「恐竜の時代なんて3億年あるんです。人類の誕生からして500万年、それに比べてたったの1000年じゃないですか。」とご説明されました。いや確かに3億年や500万年と比べると…、1000年は短い…のかもしれません。岩谷社長は不思議な時間感覚をお持ちなのだと驚きました。

人口が少ない今だからこそ、我々一人一人の努力が大きく未来に影響する

最近は人口爆発による環境問題などが取り沙汰される世の中ですが、それについて岩谷社長は楽天的で未来志向を描いているようです。

現在世界の人口は80億人を突破したと言われていますが、今までの人類がどれだけいたかというと、1000億人はいなかったでしょう。今後も世界の人口は増えていくし、さらに人類はこの先200万年経過してもきっと終わることはない。そう考えると、子孫は何兆人という数になる…と。

「昔の人って、人口が少なかったから活躍できたという面もあると思うんです。そして私たちは、”未来から見たら”めちゃくちゃ人口が少ない時代なんですよ。」

未来に何兆人という人が生まれてくることと比較すると、80億人の現在は確かに少ない数値に見えます。

「なので、今この時に頑張ることは、将来にとってものすごく影響があると私は思っています。今頑張っている一人一人から生み出される将来の利益というものは、とてつもなく大きなものなんです。その人が享受するもの、どんなにお金を持っていてどれほどな贅沢をしても、それよりもはるかに大きなものを私たちは未来に残すことが出来るんですよ。将来のすごく多くの人たち、何億人・何兆人という人たちの利益になると私は考えています。」

岩谷社長は常々そう考えているようで、インタビューや講演会のとき社長はいつも「人の役に立ちたい」「ちょっとでも社会の役に立ってから死にたい」というお話をされます。それは自分の周囲や社会に対する影響だけでなく、何百万年も先の未来も見据えての考え方なのだと分かり、なんと計り知れない考えをお持ちなのだろうと、呆然とする思いでした。

「なので、」と真顔の岩谷社長は言います。「1000年はわずかですね。」

「1兆年てすごく短いですよね」

話はさらに宇宙へと広がっていきました。ビッグバンから始まったとされる宇宙は138億年が経過していると言われていますが、「宇宙の星の感覚からすると、138億年てめちゃくちゃ短いんですよ。」と、またまた理解の追い付かない発言が社長から飛び出すのでした。

私達が夜空を見上げて見える星々、その何倍もの数の目に見えない小さな星があるそうで、これを赤色矮星というのだそうです。

この赤色矮星は小さな星なので、核融合の燃費がいい。星は大きくなればなるほど、重力が大きくなればなるほど核融合はしやすくなるのですが、とても燃費が悪くて、そのため大きい星の寿命は1000万年、500万年と、どんどん短くなってしまうといいます。大きい星ほど寿命が短いんですね。

太陽の寿命がだいたい100億年くらい。赤色矮星は、だいたい寿命が1兆年もあるのだそうです。

「100億年と1兆年なので、この星寿命の感覚で考えれば、宇宙が始まってまだ一瞬、まだ間もない時間。そして、”宇宙の終わり”と考えられているスパンが10の100乗年です。10が百個つくので、無量大数(漢字文化圏で名前がついている最大のもの)でも全然桁が足りない。なのでそれくらいの時間スパンで見た時に、1兆年てすごく短いですよね。」

宇宙というスケールで考えた時には1兆年すら短いと思えてしまうんですね…。

「そう考えてみると、1000年は瞬きですよ。」と笑顔で岩谷社長は付け加えました。だんだん1000年があっという間、という気持ちになってきましたよ。

あなたの人生に用意されたロウソクの数は5000個!毎週1本消えていきます!

宇宙の寿命という気の遠くなるような話から、今度は我々人間の寿命というたいへん身近な話に移行していきました。

「自分の一生」は自分ごととしてとても身近な話ですが、では実際に我々は、本当の意味で寿命を実感して生きているのかというと案外そうではありません。やはり今日という今が、明日も明後日もずっと続いていくような気でいるのではないでしょうか。

そこで岩谷社長は「ロウソク」を例にして、こんな話をしてくれました。

「自分の一生ってなかなか感覚をえられないと思いますが、では1週間を1個の点にして一生を計算してみると、だいたい5000個くらいしかないんですよね。」

※一週間を1個の点とした場合、1年間は約50個ほどとなり、100歳まで生きるとした場合でも5000個(5000週)しかない。

「5000個ってそんなに多くなくて、私は36歳なのでもう半分近く使っています。で、この点にロウソクがあるとしましょう。1週間に1個ロウソクが”フッ”と消えていくんです。仮に中学生であったとしても、700個ほど使っています。残りは4000個くらいと思って見ると、一生の短さというものを実感できるんです。」

隣りでその話を聞いていた取締役の仲さんは、「嫌な話を聞いちゃったなぁ。もうマスがほとんど残ってない…」と、インタビュアーの私と同じことを思っていたようでした。そこで岩谷社長は「これをどう受け止めていくかですね。」とおっしゃいます。つまり、一生は短いという実感が伴えば「今日やれることをしっかりやろう」と思えるのだそうです。

ついつい我々は日々の仕事に疲れ、次の休日はまだかなぁなどと考えてしまいがちですが、岩谷社長に言わせれば「休みだけを待って過ごしているのはもったいない。仕事の時間も楽しんだほうがいいですし、通勤通学の時間も楽しんだほうが良いです。」と爽やかに言ってのけます。

「同じ日は二度とこないですし、身体にとっては明日よりも今日の方がマシな日ですから。」

毎週毎週自分のロウソクが消えていくことを考えたら、無駄なことをしている暇はないと思いますし、やりたいことはどんどん早くやろうという気持ちになります。私はこの話を聞いて、子供との時間をもっといっぱい取って悔いのない時間を過ごしていかねばと思いを新たにしました。

気球で宇宙遊覧を実現する岩谷技研の社長、天才・岩谷圭介さんは、目の前のことだけではなく、社会全体から宇宙全体、はては何兆年先の未来までも捉えて考えている、とんでもない思考の持ち主だということが分かりました。