研究開発部 研究課 海藤義彦さんインタビュー
岩谷技研の技術系正社員の中では最年長という研究開発部 研究課の海藤義彦さんにお話を伺いました。
入社のきっかけと不思議なご縁
「7月1日に入社したばかりですが、前職は同じ研究開発部の家弓さんと一緒の会社で働いていたんですよ」とお話ししてくれた海藤さん。お勤めだった会社の突然の経営破綻によって新しい仕事を探さなければ…となった時には、ガックリ落ち込んだそうです。
岩谷技研が2018年に熱帯魚のベタを28kmまで打ち上げて無事帰還させた実験の様子をテレビで偶然に見ていたこともあり、岩谷技研が技術職の人材を探していると聞いた時には「ここで働けるなら、ぜひ働きたい!」と思いました。連絡をとり面接に臨んだ際には、同席されていた棧敷さんから「論文で海藤さんのお名前を拝見しました」と言われ、縁も感じました。
「職を失うことになりどうしようかと思ってから、1週間で岩谷技研の仕事が決まりました」と、決まった時にはご家族で祝杯をあげたのだそうです。ちょうど去年、写真を撮るのが好きだという娘さんが手稲山に登って撮影してきた天の川の写真が素晴らしく美しかったことも、岩谷技研につながるきっかけになったかもしれない、という素敵なエピソードも教えてくれました。
海藤さんの主な仕事は、キャビンに乗せる装置の開発と大学との共同研究です。海藤さんが10年ほど前に一時期通った研究室が、偶然にも岩谷技研と共同研究をすることになり、オンラインの打ち合わせで当時を知る教授が海藤さんの姿を見つけた時には「どうしてそこにいるの?」と大変驚いていたのだとか。これも不思議なご縁というか・・・なにかのお導きですよね!
「すべてが絶対必要」なキャビンの設計
機械分野の技術職をずっとやってきた海藤さん。たとえば携帯電話の開発では、便利な機能が無限に用意されているものの実は利用者が知らなくても困らない遊びのような部分が沢山あったりします。ですが岩谷技研の気密キャビンの場合は(もしくは広く宇宙開発では)、ペイロードを抑えるためにギリギリに切り詰めたミニマムな設計が求められる中で、すべての装備が絶対必要!です。どれ一つなくても成立しない装備ばかりなのでプレッシャーも感じるし、気密キャビンは真空の成層圏まで人を乗せて飛ばすものなので、身が引き締まる思いを感じています。
ただ、実際に係留で気球に乗った時には、初めてでしたが怖さはなくキャビンに守られている、と安心感を覚えたそうです。気球の上昇はエレベーターが滑らかに加速していくようで楽しくて快適でした。そして気球がスーッと風と一緒に動くのは新鮮な体感だったそうです。
面接の際に「残業が大変ですよー」と言われていたとのことですが、そしてたしかに実験前の準備期間は超多忙になるものの、普段は大変な残業などもなく安心された、ということも教えていただきました。
知らない概念を知ることが好き
海藤さんのお好きなものや趣味についてお聞きすると、週末にはご家族でドライブに出かけたり旅行に行くのが好きだとのこと。また他にも、技術士や工学博士号も取得されていて、技術書を読むのが大好きなのだそうです。プログラミングも好きでゲームやAIを作りたいと思っており、さらには最近ソロギターでの弾き語りも始めて、ジャズっぽく弾きたい♪ ので音楽の理論も勉強中だとか。
どれも好きなだけでなく深く学びにつながっていかれるものばかりで、「勉強するのが好きなのでしょうか?」と尋ねると、「勉強が好きというより、知らない概念を知ることが好きなんでしょうね。知らない世界に足を突っ込むと、まるで異次元世界を覗き込むようなワクワクした気分になります。だから本屋さんにいると、まだ見ぬ世界がたくさん転がっているような感覚になり好きです。」と教えてくれました。
きっと、岩谷技研での新しいお仕事もワクワクした世界に感じていらっしゃるのでしょうね。岩谷技研の若い凄腕エンジニアたちと一緒に楽しくやっていきたいとおっしゃっていました。
宇宙の民主化と気球の大いなる可能性
気球による宇宙遊覧体験旅行に注目が集まりますが、海藤さんは高高度気球にはそれ以上に社会貢献ができる可能性があると感じています。
無人の気球を利用して地球の観測や宇宙のデータを取得することも実験できます。新たなネットワークの中継地として、いろいろなものをつなげていけると考えています。
「社会に貢献できる会社に入れたということが嬉しい」とご自身も大学や企業などのつなぎ役になれると思うと話してくれました。