「今週末宇宙行く?」取締役 制作広報部長 仲雷太さん講演会
「大麻駅前の元パチンコ屋が気球工場になった?と不思議に思っていた。これはぜひ詳しい話を聞いてみないと」と、江別市・大麻地区の自治会長らが集まる組織である大麻地区自治会長役員研修会に招かれ、取締役 制作広報部長の仲さんが「今週末宇宙行く?」と題し講演会を行いました。
天才がつくった会社「岩谷技研」
「岩谷技研は、岩谷圭介という36歳の天才が、2016年4月に起業して作った会社です」と会社の紹介から始まった仲さんのお話は、流暢でユーモアを差し込みながらも説得力とロマンがあり、参加者の皆さまをぐんぐん宇宙の世界へと引き込んでいきました。
ガス気球で地上から 25 ㎞まで、自転車の速度くらいでゆっくりと2時間かけて上昇するので、街が小さくなっていく様子を眺めながら、空の景色も楽しみつつ、丸い地球を見ることができる宇宙の入り口で1時間の宇宙遊覧・・・仲さんの話を聞いていると身体がフワフワと浮かんでいくような気分になります。
眼下に青い地球、頭上には満天の星!
気球から撮影した宇宙
気球による地球の撮影では無人の状態でシャッターを切るため、カメラの露出は太陽に照らされて明るく輝く地球に合わせて設定します。そのため天空に広がる宇宙は真っ黒に写ってしまいます。ですが人間の目はレンズよりも性能が良く、明るい光から暗い光までバランスよく見ることができるため、成層圏に浮かびながら頭上を見上げると満天の星々が見えるのだそうです。さすがは本職がカメラマンの仲さん。今まで 25 ㎞からみる宇宙の写真は深い漆黒が広がるだけなのかと思っていたのですが、実際に25km上空に行くと地球も星空も同時に眺めることができるのですね!ますます宇宙遊覧を体験したくなりました!
飲食しながらのんびり宇宙遊覧 「地球見風呂」も?
「お風呂を作ってほしい」という投資家さんからの熱い要望も頂いているのだとか。無重力状態の宇宙ステーションでは、お風呂に入ることはできませんが、1Gの重力がある気球では「地球見風呂」が実現可能なのだそうです。
現在の宇宙旅行で使われているロケットとガス気球での宇宙旅行の安全性や価格などを比較し、「誰でも頑張れば用意できる程度の価格で、訓練や鍛錬の必要がなく、幼児から年配者まで一緒に家族で行ける唯一の手法がガス気球です」と説明されました。
江別気球工場では、この宇宙旅行を実現させるための気球を作っているのだということに参加者の皆さんは興味津々の様子です。
江別気球工場について
現在、岩谷技研では約60名が働いていますが、そのうち江別気球工場で働くパート(メイト)は12名。「江別で採用したこの方達が、とても優秀で生産性が高い」と仲さんは絶賛!作業についても覚えが早く「こんなの家事よりずっと楽ちん!」とすごいスピードで正確に気球を作っていくので開発職の社員たちもびっくりしていると話していましたよ。
「江別気球工場で働くパートを今後100名に増やしたい」という岩谷技研の計画については、江別でそんなにたくさんの雇用を生み出す壮大な事業が行われていることに参加者さんがびっくりした様子です。
そして、立命館慶祥高校、北海道情報大学、北電研究所などから敷地を使ってくださいとの申し出があったり、江別市の人たちがとても好意的で協力的だと仲さんが「江別に来てよかった」と感謝を伝えると、嬉しそうな様子で、頷く方もいらっしゃいました。
質疑応答でたくさんの質問が
最後に参加者さんから質問を受け付けると、「気球に乗る時の服装は?」「健康診断はするのか?」「資金調達はどうしているのか?」「着地地点はどうするのか?」「気球の素材は?」「映像を見るとけっこう揺れてるけれども、エンジンを付けられないのか?」といった沢山の質問がありました。
「キャビンの中は空気で満たされ温度も気圧も保たれているので、普段着で乗れますが、宇宙旅行気分を楽しんでいただくために気密服を着てもらうことも考えています。ところで皆さん、トイレはどうすると思いますか?」と宇宙の雑学を交えながら全ての質問に次々と答え、参加者さんも疑問が解消され、なるほど〜と納得の表情。
岩谷社長と仲さんの出会い
25km上空を泳ぐ熱帯魚「ベタ」の様子(2018年6月)
講演の中で、岩谷社長が北大在学中に活動を始めてまもなく、4人の大人が自然に集まってプロジェクトに協力した。自分もそのうちの一人だったという話題があり、「岩谷さんとの出会いをもっと詳しく教えてほしい」という質問もありました(すでにこの社内報ブログでご紹介した中臺取締役も、その最初期メンバーの一人だそうです!)。
仲さんは、北海道の大学生が気球を使った撮影にたった一人で取り組み、日本で初めて小型カメラと気球による高度 30 ㎞ からの「ふうせん宇宙撮影」に成功したというニュースで岩谷圭介社長のことを知りました。え!?日本にもそんな面白いことに挑戦する若者がいるのかっ!と驚いて協力を申し出て、以降「ふうせん宇宙」の撮影に関するあれこれを担当してきました。
2018年6月には、宮古島上空で魚を気密型専用キャビンに搭載し打ち上げた「ふうせん宇宙撮影:生物プロジェクト」にも参加しました。
無事に熱帯魚の「ベタ」を帰還させることに成功すると、大人たちが口を揃えて「魚を飛ばせるなら次は俺を飛ばしてくれ!」と言ったのだそうです。岩谷社長は、少し考えて「うん、できますね」と答え、死ぬほど宇宙に行きたい仲さんは、今では生まれ育った東京から移住し、道民・札幌市民となって岩谷技研を支えています。ここだけの話ですが、仲さんは岩谷社長の話をする時に声色と話し方を真似るのですが、それが少し似ているのでつい声を出して笑ってしまいました。
自治会の皆さんの感想
講演会終了後、この研修会を企画した自治会役員の方が、「仲さんとメールのやり取りをしていたので会えるのを楽しみにしていた。メールだけでも人柄が素晴らしいと感じていたが、お会いしてさらに素晴らしい方だと思ったし、岩谷技研のファンになった。岩谷社長にもぜひお会いしてみたい。こちらこそ江別に来てくれたことが本当にありがたい」と伝えてくれました。
今日のお話しを聞いただけでも、宇宙についての知識と興味が深まり、素晴らしい講演会だったと評判でした。