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Archive for 11月, 2022

取材日程調整でメールのやり取りをして頂いている小川順子さん。小川さんのメールからはいつも、さり気ない配慮と優しさが感じられます。そんな小川さんが普段どんなことを考えていらっしゃるのか、じっくりインタビューをさせて頂きました。

 

江別の印象はいかがですか?

小川順子さんは、本社の総務・経理部と工場の生産管理部を兼任されています。

「変化がよくある会社なんですよね」と、江別気球工場が稼働し始めてから、江別に通勤していた小川さんも11月から札幌本社に戻るのだそう。そして、江別気球工場には札幌R&Dセンターから数名が来て、開発の仕事の一部をここでするようになるんですよと教えてくれました。

「変化」というか常に「進化」している感じですよね。去年の秋は18人くらいの会社でしたが、現在では総勢50名以上の「チーム岩谷技研」が日夜開発に励んでいます。

緑や自然が好きなので、江別は緑も多く気に入っていたという小川さん。江別気球工場も札幌本社や札幌R&Dセンターに比べスペースが広いので、江別は開放感がある場所という印象があるそうです。

工場での様子も、みなさんが今まで経験のない気球制作というお仕事をされているなかで試行錯誤されているけれども、「ああしよう、こうしよう」ってお喋りしながら工夫している様子が和気あいあいとしていて、そんなメイトさんの明るさに助けられていると感じています。

 

岩谷技研の仕事のやりがいは?

小川さんの主な仕事は採用業務。人事の面から研究開発を支えます。小川さんご自身が岩谷技研に入社したのは2021年の秋頃。当時は岩谷技研という会社を全く知らなかったそうですが、人とのつながりで紹介してもらい働き始めました。

小川さんにとって岩谷技研は3社目で、最初の社会人経験は農協でのお勤めでした。10年以上のキャリアがありましたが、民間の会社でも働いてみたいと考え転職。ずっと採用業務に関わってきましたが、民間会社ではスピード感の違いや女性にもチャンスがあると感じたそうです。

 

さらに岩谷技研では、大きく考え方が変わったことがあるそうです。

一般的な会社では、コミュニケーション能力がまず大切と考えられています。小川さんも以前の経験から「コミュニケーション能力」を重視していましたが、工学系の採用では、コミュニケーション能力よりも「スキル」が重要と考えるようになりました。工学の技術や知識についてはよくわからないので、面接ではエンジニアにも同席してもらいます。

スキル以外の部分で、小川さんには、本当にここで働きたいと思ってくれる人、やってきたからこそ自信がある人から感じられるキラリと光るものがわかるのだそうです。

「経験と感覚ですが、やっぱり思いの強さって伝わるんです」。そうして入社された方がご自身の能力を発揮して、イキイキとお仕事をされている様子を見ると本当に嬉しいそうです。

 

「採用はお見合いみたいなもので、ダメな人っていないんです。会社にマッチするかどうかなんですよね」と、ご縁があったからこそ一緒に働くようになるのだと考えています。採用業務では、そうしたご縁に出会えるのが楽しいとやりがいを感じています。

 

最後の旅行はやっぱり宇宙?

十勝、帯広畜産大学出身で、登山、ボルタリング、旅行が趣味という小川さん。気球の宇宙遊覧旅行には、ぜひ行きたいのでは?というと「昔から人生最後の旅行は南極かなと思っていたので迷っている」という意外な答え!でも、よく考えると日本から南極大陸への距離は約14,000km。直行便もなく乗り継ぎを重ねて飛行時間は20時間以上。かたや宇宙遊覧旅行は、地上から25km・・・宇宙の方が近いですね、と笑いました。

今後も進化し続けていく岩谷技研は、多くの人材を採用していくことになりますが、「私が最初の面接者として応募してきてくれた人と接することになるので、どういう人か表情を見て安心してほしい」と素敵な笑顔を見せてくれました。

 

10月某日。江別気球工場にお邪魔すると、いつもと何だか雰囲気が違います。今日はどんな仕事をしているのでしょうか?メイトさんに教えてもらいながら、作業の様子をリポートします。

 

ランチタイムの輪の中へ

江別気球工場には午後から取材に行くことが多く、作業の合間を見てメイトさんに声をかけたり、後半のランチタイム中にお話しの輪の中に入れてもらい一緒におしゃべりをしながら取材をさせていただいています。

昼休みは11:30から12:30までの前半チームと、12:30から13:30までの後半チームの2つのグループに分かれて、それぞれ1時間ずつ休憩します。

 

気球解体の作業

溶着作業をしている時にお邪魔することが多いので、長いテーブルのそれぞれの持ち場に近づいて作業の様子を見せてもらったり、どんなことをしているのか教えてもらいます。お邪魔してると思うのですが、みなさん快く質問に答えてくれ親切に教えてくれます。溶着の時は音楽が流れる中、それぞれが静かに作業に集中しているのですが、今日の作業は何だか慌ただしい雰囲気です。

「これは、気球の解体作業をしているんですよ」と一人のメイトさんが教えてくれました。実験が終わり使用済みになった気球を解体し、次回も使用できるパーツを取り除いているのだそうです。

 

江別気球工場に謎の2階がある?

「今日も開拓うどんに行って来ました」と昼休みから戻った工場長は、メイトさん一人と学生アルバイトさん達を連れ、工場の2階を整理整頓すると言います。

工場に2階があるんですか? ぜひ様子が見たいと申し出ると、まだ公開できる状態じゃないんですよ〜!と、今回はNG。逆に気になりますが、2階の様子が公開OKになった時には、改めてリポートさせていただきます!

 

気球のテープを抜く作業も効率的に

さて、解体作業を続けているメイトさん達は、普段はあまり行わない作業なので、やりながらもっと効率的に早く作業ができる方法をその場で考え「二つ折りにした方がやりやすい?」と声をかけて相談しながら行っています。どんどんテープを抜くスピードが速くなって、テープをまとめるのも要領がよくなってきて、あっという間に解体作業が終了しました。

2階の作業から戻った工場長も「きれいにまとめてくれてありがとう!」とメイトさんたちの仕事ぶりに感心されているようでした。

 

素晴らしいチームワーク

この日の最後は、これからつくる気球の作り方の説明があり、ミーティングが行われました。R&Dから気球の大きさや個数の注文を受けて気球を作りますが、どうやら今までのやり方と違う方法での指示があったようです。

「え?今までと逆なの?」「どういうこと?」と少し驚いて、一瞬戸惑っている様子でしたが、すぐに「どうすればできる?」と話し合いが始まりました。メイトさんの中に、気球に詳しい方がいらっしゃるようで、その方を中心に「これはこういうことでしょ?」と話し合いをしています。

今までと違うやり方にも「いろいろ試してみればいいんだ」「これでできそう、やってみよう」と最終的には前向きに話がまとまっていました。

明日のシフトを見て、今日の話し合いの様子を申し送りできるメンバーを確認してミーティングが終了。

一人一人がより作業が効率的にできるよう自発的に考え、それを共有しながら協力しあって、生産性を上げていくチームワークの良さが素敵でした!

文系の松本が実験をレポートします

皆さん、こんにちは!11月1日に岩谷技研に入社した、新入社員の松本です。私の仕事は「ITシステム管理」ですが、岩谷技研の全貌をできる限り早く知るため、今後しばらくはすべての実験に参加しレポートを提出せよ!との上長からの指示を受け、こちらの社内報ブログで記事を書かせていただくことになりました。

というわけで技術者の皆さんとは違う、文系出身である私の目線からの実験レポートその1です!

11月10日(木)、北海道某所にある体育館にて“開放弁”のテストが行われました。

 

岩谷技研製のガス気球は美しい

まずは今回実験に使った気球を見てください!体育館の明かりに反射するプラスティック製の球体が実に美しいですね!

ですがこの気球、私たちが気球といわれてイメージする、カラフルでカゴがついていて火を噴くバーナーがぶら下がった、いわゆる「熱気球」とはずいぶん違ってますね。気球には大きく分けて熱気球とガス気球の2種類があり、岩谷技研で使用するのはガス気球です。

ガス気球は、気球内に充填した空気よりも軽いヘリウムガスの浮力で飛びます。ヘリウムはなにしろ空気より軽いのでどこまでも上昇していこうとします。ではガス気球はどうやって地上に戻ってくるのでしょう?

そうです!ガスを抜き、浮力を減らして降下するのです。

 

開放弁で浮力を調節する

その時に使われるのが今回の実験でテストした開放弁という装置です。開放弁は気球を満たしているヘリウムガスをゆっくりと外に逃がすことで浮力を減らし、気球を地上に戻す働きをします。

こちらが開放弁調整中の写真です。気球のてっぺんに取り付けられており、手元のリモコンで開閉動作を遠隔操作します。また、万が一リモコンが機能しなくなった時のために、手動でも開閉させることができる仕組みが備わっています。

開放弁は丸い形をしており、プラスティックの気球表面に取り付ける台座と、弁の開け閉め動作に使用されるその他の部品に分かれています。

 

ガス気球は開放弁が命!

大きな大きな気球のてっぺんに取り付けられた小さな部品ですが、宇宙の入り口まで舞い上がった気球を地上に戻す重要な働きをしているんですね!実験を行う技術者たちも真剣な表情で作業をしていました。

今回は岩谷技研の使う気球が熱気球とは異なるガス気球であること。そしてガス気球は開放弁を使い内部のヘリウムを放出することで地上に戻ってくることを学びました。

岩谷技研では毎週幾つもの実験を実施しています。今後も現場に出かけて行って色々と学び、実験の様子をお伝えしていきます。それではまた!

10月5日、キャリア教育の一環として江別市教育委員会から依頼され「“やってみる”からはじめよう!」と題した講演会が江別第三中学校にて行われました。その会場に潜入!講演会の様子をレポートします。

 

会場・生徒達の様子

講演会は全校生徒が聴講しましたが、密を避けるため体育館で直接話が聞けたのは1年生のみで2・3年生は各教室でパソコン配信にて講演会の様子を視聴していました。

岩谷社長は、「みなさんの年頃だと、将来社会に出ていくために まだ何をやっていくか考えてもよく分からないと思いますが」と生徒達に語りかけ、「私には肩書きがたくさんあります。気球屋さん、科学者、社長、発明家、エンジニア、アーティスト、作家、その他いろいろ」と自己紹介から始まり、「自分自身のやりたいをやるための社長は手段です」と岩谷技研の事業の説明がありました。

聞いている生徒たちは、気球に乗って宇宙を見に行く?新しい気球を作っている?と半信半疑な様子でしたが、「そんなことできるの?とよく言われますが、できましたよと見せるまでやる」と岩谷社長が実験の映像を流した時、宇宙の入り口25,000m上空の成層圏を魚専用与圧キャビンの中で悠々と泳ぐベタの映像などを見て、生徒達の表情が好奇心でいっぱいになっていきました。

 

もう諦めようと思った時、偶然がいくつも重なった

岩谷社長が大学生の頃、風船で宇宙空間を撮影する挑戦をしていた話では、
やってみたけど大失敗。ムンクの叫びのような写真が撮れたと失敗写真を公開。

半年かけて作ったものが海の藻屑に消えるなど失敗が100回以上続き、周囲からは「できないに決まってる」「意味ない」「無駄」「お金がもったいない」などといわれたと言います。もうやめようかな・・・そんなふうに思ってしまった時、偶然がいくつも重なって「もうちょっとがんばってみよう」と思える出来事がありました。

装置を回収するのは面倒臭いと思った岩谷青年は、誰か拾ってくれないかなと自分の連絡先を装置に書いておきました。それを偶然親切な人が拾って届けてくれて、上空からの撮影に成功した写真を見ることができたのです。

失敗したり、迷ったり、それでもやっぱりやってみたいと続けられたのは、宇宙が子どもの頃から好きだったからでした。

 

子どもの頃の憧れ「ドクが世界で一番カッコイイ!」

子どもの頃の岩谷少年は、宇宙ステーションができるという絵本を読んですごい!と思い宇宙が好きになりました。他にも好きだったことは、工作やものをつくること。ブロックを組み立てて遊んでいたり、父親のカメラを分解してバラバラにして壊したこともあるそうです。

そして、映画「Back to the Future」のタイムマシンを発明した科学者エメット・ブラウン博士(通称ドク)が大好き!ドクのようになりたいと思ったそうです。小学校の文集では将来の夢に「科学者」と書いてありました。

高校2年生の時、本格的に進路を考え始めた頃、岩谷少年にとっては衝撃的な事実が発覚します。バック・トゥ・ザ・フューチャーはフィクションで、ドクのように自分の好きなことだけ研究をしている科学者は日本にはいないことがわかります。

ドクになれないとわかるとやる気を失くし、何をやっていいかわからなくなった岩谷少年はテストも0点ばかり。「不器用な学生でどこかで妥協することができなかった」と言い、高校卒業後は浪人しました。

浪人中にたまたま人力飛行機の競技会「鳥人間コンテスト選手権大会」を見て、「何か自分でつくりたかった」という夢を思い出し、工学部機械科に進学することになります。ここでも偶然が岩谷さんに力を与えたようですね!

北大では、宇宙環境システム工学研究室でロケットの勉強を始めたところで、ロケットって意外と大変と気がつき「これはムリ!」とまたやる気がなくなったそうです。でも、ロケットが無理ならと「風船はやれるかも」を思いつきました。「いろいろやってみることが大事。やっているうちに夢は見つかる」。岩谷社長のメッセージは、生徒達の心にやる気の種を植えたようでした。

やってみることと失敗することの大切さを語り、やってみるからこそ分かることがあり、好きを続けると本当にやりたいことや夢が見えてくるというお話には、私たちの心にも響きました。

 

生徒達からの質問

最後に生徒達からの質問に答えた岩谷社長。中学生の頃、はまったことはなんですか?と聞かれると「ただ宇宙が好きでした」と答え、夢を見つけるためにも「自分に正直に好きを見つけることが大事」と話しました。

自分にその夢があっていないとわかった時にはどうしたらいいですか?という質問には、「経験して向いていないとわかったものはやらない。他のことを試してみて次の好きを探します」と答え、「やっているうちに好きなら続いていくし、失敗した場合も好きなことは繰り返せる」と話していました。

生徒たちに率直に答える岩谷社長の言葉から、岩谷社長の好きという気持ちは、宇宙へと真っ直ぐに向けられているのだなと思いました。